【0から始める殿堂レギュレーション】第4話 ポケパワーにポケボディー
2017年10月29日 ポケモンカードゲーム コメント (2)前回のおさらい
・「サポート」=「サポーター」
・「トレーナーズ」=「トレーナー」=「トレーナーのカード」
※ただしDP・DPt時代のトレーナーはグッズに相当する。
まだ4枚しか差し替えていないんですよね。さて、次は最難関、ポケモンのカードです。
まずは例のサーナイトミカルゲを見てみましょうか。
■ポケモン 23
3ミカルゲ(Dpt)
4ラルトス(DP4)
4キルリア(SM3)
3サーナイトGX
2サーナイト(DP4)
1サーナイトLV.X
1エルレイド(BW7)
2ヤジロン(DP4)
2ネンドール(DP4)★★★★
1カプテテフGX
DPのカードが多いですね。ちなみにネンドールの横についている★マークは殿堂ポイントを示しています。復習すると、殿堂ポイントは制限カードの上限を定めるもので、制限カードには殿堂ポイントが与えられています。1つのデッキに殿堂ポイントは合計4ポイントまでしか採用できません。ネンドールは殿堂ポイント2なので、2枚採用して計4ポイント。これで上限いっぱいということになります。
せっかくなので「ネンドール」から見てみましょうか。このカードはポケパワー「コスモパワー」を持っていて、これがドローソースになるので強力です。
と、その前に、ポケパワーとはなんだ、という話からいきましょう。似たようなのにポケボディーがありますね。これらはDP・DPtシリーズ時代における「特性」に相当する能力のようです。ポケボディーは常時発動型、ポケパワーは発動が任意のもの、という感じで分かれているみたいですね。公式のテキストを参照したわけではないので、細かい点で間違っているかもしれないですが、だいたいこの認識で問題なさそうです。違ったら教えてください。
それで、ポケボディー・ポケパワーの強みは、特性ではない、ということです。見りゃわかるしそりゃそうなんだけど、どういう意味かというと、具体例を出すとわかりやすいと思います。オカルトマニアの特性を消すという効果で、ポケボディーとポケパワーは消せない。つまり現環境で見られるダストオキシンやあくのおきてをスルーしつつ効果を発揮できるということです。でもポケパワーとかよりも特性の方が強ければ意味がないのでは、と思ったりしましたが、このネンドールのポケパワーを見るに、そんなことはなさそうです。
で、そのポケパワー「コスモパワー」のテキストですが、
自分の番に1回使える。自分の手札を2枚まで選び、好きな順番にして山札の一番下にもどす。もどした場合、自分の山札から、自分の手札が6枚になるようにカードを引く。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。
とあります。たまたま、一緒に殿堂レギュの勉強をしている人がネンドール入りのマッシブーンを組んできていて、使用感がわかったので説明しますと、オクタンやマフォクシーのほぼ上位互換という印象です。1進化で6枚までドロー、という点でオクタンより強そうですが、手札を2枚減らす、という効果がついています。これがどういうことかというと、手札が7枚以下ならば使える、ということなのです。手札7枚はプラターヌ後の最大手札ですから、とりひきのような特性を使わない限り手札7枚以上になることはそうそうありません。となると、ほぼ毎ターン手札を2枚リフレッシュできるということで、しかも手札が最低2枚あれば増えるのですから、破格のドローソースだということがわかりました。シェイミEXが殿堂ポイント1ですが、確かにそれ以上の性能を持っている気がする。しかもオカマで消えない。
それで、このネンドールをメタグロスデッキに採用するかどうかですが、正直採用してみないと分からない、と思います。だってこんな壊れカードどのデッキに入れても強いじゃん。考慮すべきは、ゴージャスボールのときと同じで手札からトラッシュできないことと、1進化ラインを2-2で採用する枠があるかどうかということ。手札トラッシュは別にハイパーボールプラターヌで足りているので別に良さそうです。序盤手札に腐るメタグロスをトラッシュしておいて後でタンカで拾うよりも、山に戻しながら別のカードをドローできる方が強いのは明白ですし。4枚分の枠があるかどうか、というのはもう少し他のカードたちを見てからでないと分からないので、保留です。あと持ってない。
さて、例のデッキのコンセプトともなっている「ミカルゲ(Pt4)」です。
http://www.pokemon-card.com/card-search/details.php/card/24183/regu/DP
色々ある要素があるので、こちらのリンクからカードを直接見てもらった方が早いと思います[註1]。
まずはポケボディー「かなめのふういん」ですね。テキストはこう。
このポケモンがバトル場にいるかぎり、おたがいのプレイヤーは、手札から「トレーナー」を出して使えない。
前回のおさらいにあるように、DPt時代のトレーナーとは現在のグッズです。つまりバトル場にいるだけでグッズロック。はい強いー。なんでたねポケモンなんだ。禁止した方が良くないか。まあお互いだしバトル場だけだから許されるのかな。
次は上のワザ「ダークグレイス」。リージョンフォルムでも登場した、エネなしで打てるワザになりますね。その効果は、
自分の山札から、自分のポケモン1匹から進化する「進化カード」を1枚選び、そのポケモンの上にのせ、進化させる。進化させた場合、自分にダメージカウンターを1個のせる。その後、山札を切る。
なので、つまりはディアンシーのきらめくいのりです。あるいはミツル。ミカルゲ自身にダメカン乗るけどエネなしで打っていいワザじゃないと思う。うーん、ずるくない?
下ワザはどう見ても使わないので、ミカルゲの強さはこの2つですね。グッズロックと進化補助。
ということは、イメージとしてはサーナイトミカルゲというデッキタイプは、ディアンシー型サーナイトGXとほぼ同じだと見ることができそうです。やってることは同じ。ただディアンシーがグッズロックするしエネがいらないっていうだけ。……だけ? ずるくない? 強すぎない? いいの? こんな壊れカード殿堂ポイントなしで使えて。
とりあえずサーナイトミカルゲのコンセプトは理解できましたし、めちゃくちゃ強いということも理解しました。2進化デッキであるサーナイトの弱点は序盤の展開中にたねを狩り尽くされることなので、その妨害手段としてグッズロック以上のものはないと思います。しかもワザで展開のサポートもしてくれるなんて。
さて、これをメタグロスに活かせるか、というお話に繋げていくわけですが、活かせないわけがないと思います。メタグロスデッキは、2進化デッキとしてサーナイトと同じ弱点を抱えています。なのでその弱点を克服するミカルゲは、非常に噛み合っていると言えるでしょう。序盤にグッズが使えなくなる、というデメリットについては別途考えないといけませんが、それを差し置いてでも採用して良いスペックのカードだと感じました。とりあえず採用。差し替えるカードは、初手にワザを使うカードである「アローラロコン」ですね。
その前に1度、アロコンとミカルゲを比較しておきましょう。
どちらも展開を補助するワザを持ち、エネなしで使えます。HP60、逃げエネ1という点は共通です。1つ目の争点は、ミカルゲのグッズロックという性能です。これは圧倒的に強力ですが、2ターン目にグッズロック状態から始まる点は考慮する必要があります。具体的には、ミカルゲが逃げられないときにアメもハイボも使えないという点です。手札にエネがあればいいと思いますが、過去のミカルゲで展開するデッキがどうしていたのか調べる必要がありそうです。2つ目の争点は、アロコンは2枚持ってこれるのに対して、ミカルゲは1枚しか持ってこれない、という点です。つまり次のターンにメタグロスが1体しか立たないし、そもそもメタグロスをサーチするためのハイボも使えない。先のサーナイトデッキを見るに、数ターンかけて盤面を整える想定のようです。そもそも1回目のダークグレイスで持ってくるのはキルリアじゃなくてネンドールのような気もするし。要するに、盤面展開のプランが大幅に異なっている、ということです。
ここはデッキコンセプトに直結する部分なので、少し掘り下げて考えてみましょう。サーナイトミカルゲとメタグロスアロコンでの展開用カードの違いについてです。一番露骨なのは、ふしぎなアメです。サーナイトミカルゲではアメ0枚採用です。そもそも2ターン目にサナを立てることを考えていないという意味です。対するメタグロスは、現状アメ4枚。これは行進やゾロアークが2ターン目には200点近いダメージを出してくる高速環境の中で、数ターンかけて進化している余裕がないとの判断からでした。
さて、問題なのは殿堂環境がどの程度の展開速度なのか、ということですね。手持ちの情報が極めて少ない中ですが、ミカルゲの存在は、それだけで行進を殺してしまいました。ボールと軽石だけで先行グッズロックができる環境で、グッズぶん回しの高速デッキが生き残れないことは明白です。ついでに白レックも消えます。となると、オーロット環境をイメージすると良さそうです。オーロットを駆逐したのは、ゾロアークGXとボルケニオンでした。いずれもグッズを使わずに高速展開が可能なデッキタイプです。もっともゾロアークは弱点を突ける、という点が大きいので、対ミカルゲを考えると少し違うかもしれません。困ったことに、ボルケニオンという現環境トップのデッキタイプが1つ生き残ってしまいました。そしてメタグロスはボルケにものすごく弱い。楽観的な予測をすれば、ミカルゲのような強力な妨害カードが他にも存在し、ボルケがそれに致命的に弱いためにボルケが環境から駆逐される、ということが考えられます。しかし、ボルケというデッキタイプは、基本エネと特性とサポートだけで完結した極めて妨害されにくいデッキタイプです。生き残る可能性は高いものとして考える必要がありそうです。
そうなると、現環境のボルケニオン程度の速度がある、という環境予測が成り立ちます。そしてサーナイトGXはボルケに強く、またボルケは序盤にグズマフラダリにサポ権を回す余裕はそれほどありません。つまり正面は大ダメージを受けますが、ベンチはそこそこ安全。ここでサーナイトミカルゲのデッキレシピをもう一度見てみると、ミカルゲが3投されていることに気がつきます。つまり正面が狩られ続けてもリカバリーが効く構成になっているということです。多投されているハマナのサポートを素引きすれば、グッズロック下でもミカルゲをサーチできるので、2体目の準備も難しくありません。
サーナイトミカルゲの展開思想への理解が多少深まったところで、メタグロスにどの程度応用できるか、という現実的な問題を考えたいと思います。つまり、序盤展開のコンセプトをまるっきり変えたとして、サーナイトミカルゲを完コピする以上の完成度に持っていくことができるのか、という問題です。これは、最初から言っているように、私が殿堂レギュのカードプールを知らない、という問題に起因します。サーナイトに最適化されたカードたちが、メタグロスの最適解ではないことは明白ですが、代替案の候補がそもそも無い状態なので、サーナイトミカルゲを完コピしつつ最適化するという方向性は一気に寸詰りとなってしまいました。となると、現状の高速展開するメタグロスデッキというコンセプトのまま進むのか、という話になりますが、こちらも相手のミカルゲが厳しい、という問題に突き当たります。さて困った。
簡単に、相手のミカルゲをどうケアするか、という問題を考えてみましょうか。回答は、対ゲロゲやオーロットで使っていた対策、つまりアロコンのみちしるべでじわじわ展開して、数ターンかけて盤面を作る、というものです。ワザによるポケモンサーチは問題なく使える上に、グッズロックしてくる相手は展開が遅いので、速度不利はありません。そして盤面ができたならこちらの方が強い。ミカルゲもグッズロックの例に漏れず、展開が遅いと思われます。ならばミカルゲに対してはアロコンで展開した方が展開速度が速い、ということになります。結論が見えましたね。ミカルゲを採用せず、アロコンを続投する。当面はこれで考えていくことにします。これならば、アメ多投もそのままで問題ありません。
かなり長くなってしまったので、ポケモン編は次回に続きます。
(保留:ネンドール、ミカルゲ)
つってもミカルゲつえーよなあ。最終的にはアロコンとミカルゲを両採用して使い分ける感じにしたいですねー。
⇨第5話:メタグロスがいっぱい
http://autumncard.diarynote.jp/201710301814426066/
-
註1:ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト「カード検索」(http://www.pokemon-card.com/card-search/)2017.10.27.閲覧 当サイトより検索した。
・「サポート」=「サポーター」
・「トレーナーズ」=「トレーナー」=「トレーナーのカード」
※ただしDP・DPt時代のトレーナーはグッズに相当する。
まだ4枚しか差し替えていないんですよね。さて、次は最難関、ポケモンのカードです。
まずは例のサーナイトミカルゲを見てみましょうか。
■ポケモン 23
3ミカルゲ(Dpt)
4ラルトス(DP4)
4キルリア(SM3)
3サーナイトGX
2サーナイト(DP4)
1サーナイトLV.X
1エルレイド(BW7)
2ヤジロン(DP4)
2ネンドール(DP4)★★★★
1カプテテフGX
DPのカードが多いですね。ちなみにネンドールの横についている★マークは殿堂ポイントを示しています。復習すると、殿堂ポイントは制限カードの上限を定めるもので、制限カードには殿堂ポイントが与えられています。1つのデッキに殿堂ポイントは合計4ポイントまでしか採用できません。ネンドールは殿堂ポイント2なので、2枚採用して計4ポイント。これで上限いっぱいということになります。
せっかくなので「ネンドール」から見てみましょうか。このカードはポケパワー「コスモパワー」を持っていて、これがドローソースになるので強力です。
と、その前に、ポケパワーとはなんだ、という話からいきましょう。似たようなのにポケボディーがありますね。これらはDP・DPtシリーズ時代における「特性」に相当する能力のようです。ポケボディーは常時発動型、ポケパワーは発動が任意のもの、という感じで分かれているみたいですね。公式のテキストを参照したわけではないので、細かい点で間違っているかもしれないですが、だいたいこの認識で問題なさそうです。違ったら教えてください。
それで、ポケボディー・ポケパワーの強みは、特性ではない、ということです。見りゃわかるしそりゃそうなんだけど、どういう意味かというと、具体例を出すとわかりやすいと思います。オカルトマニアの特性を消すという効果で、ポケボディーとポケパワーは消せない。つまり現環境で見られるダストオキシンやあくのおきてをスルーしつつ効果を発揮できるということです。でもポケパワーとかよりも特性の方が強ければ意味がないのでは、と思ったりしましたが、このネンドールのポケパワーを見るに、そんなことはなさそうです。
で、そのポケパワー「コスモパワー」のテキストですが、
自分の番に1回使える。自分の手札を2枚まで選び、好きな順番にして山札の一番下にもどす。もどした場合、自分の山札から、自分の手札が6枚になるようにカードを引く。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。
とあります。たまたま、一緒に殿堂レギュの勉強をしている人がネンドール入りのマッシブーンを組んできていて、使用感がわかったので説明しますと、オクタンやマフォクシーのほぼ上位互換という印象です。1進化で6枚までドロー、という点でオクタンより強そうですが、手札を2枚減らす、という効果がついています。これがどういうことかというと、手札が7枚以下ならば使える、ということなのです。手札7枚はプラターヌ後の最大手札ですから、とりひきのような特性を使わない限り手札7枚以上になることはそうそうありません。となると、ほぼ毎ターン手札を2枚リフレッシュできるということで、しかも手札が最低2枚あれば増えるのですから、破格のドローソースだということがわかりました。シェイミEXが殿堂ポイント1ですが、確かにそれ以上の性能を持っている気がする。しかもオカマで消えない。
それで、このネンドールをメタグロスデッキに採用するかどうかですが、正直採用してみないと分からない、と思います。だってこんな壊れカードどのデッキに入れても強いじゃん。考慮すべきは、ゴージャスボールのときと同じで手札からトラッシュできないことと、1進化ラインを2-2で採用する枠があるかどうかということ。手札トラッシュは別にハイパーボールプラターヌで足りているので別に良さそうです。序盤手札に腐るメタグロスをトラッシュしておいて後でタンカで拾うよりも、山に戻しながら別のカードをドローできる方が強いのは明白ですし。4枚分の枠があるかどうか、というのはもう少し他のカードたちを見てからでないと分からないので、保留です。あと持ってない。
さて、例のデッキのコンセプトともなっている「ミカルゲ(Pt4)」です。
http://www.pokemon-card.com/card-search/details.php/card/24183/regu/DP
色々ある要素があるので、こちらのリンクからカードを直接見てもらった方が早いと思います[註1]。
まずはポケボディー「かなめのふういん」ですね。テキストはこう。
このポケモンがバトル場にいるかぎり、おたがいのプレイヤーは、手札から「トレーナー」を出して使えない。
前回のおさらいにあるように、DPt時代のトレーナーとは現在のグッズです。つまりバトル場にいるだけでグッズロック。はい強いー。なんでたねポケモンなんだ。禁止した方が良くないか。まあお互いだしバトル場だけだから許されるのかな。
次は上のワザ「ダークグレイス」。リージョンフォルムでも登場した、エネなしで打てるワザになりますね。その効果は、
自分の山札から、自分のポケモン1匹から進化する「進化カード」を1枚選び、そのポケモンの上にのせ、進化させる。進化させた場合、自分にダメージカウンターを1個のせる。その後、山札を切る。
なので、つまりはディアンシーのきらめくいのりです。あるいはミツル。ミカルゲ自身にダメカン乗るけどエネなしで打っていいワザじゃないと思う。うーん、ずるくない?
下ワザはどう見ても使わないので、ミカルゲの強さはこの2つですね。グッズロックと進化補助。
ということは、イメージとしてはサーナイトミカルゲというデッキタイプは、ディアンシー型サーナイトGXとほぼ同じだと見ることができそうです。やってることは同じ。ただディアンシーがグッズロックするしエネがいらないっていうだけ。……だけ? ずるくない? 強すぎない? いいの? こんな壊れカード殿堂ポイントなしで使えて。
とりあえずサーナイトミカルゲのコンセプトは理解できましたし、めちゃくちゃ強いということも理解しました。2進化デッキであるサーナイトの弱点は序盤の展開中にたねを狩り尽くされることなので、その妨害手段としてグッズロック以上のものはないと思います。しかもワザで展開のサポートもしてくれるなんて。
さて、これをメタグロスに活かせるか、というお話に繋げていくわけですが、活かせないわけがないと思います。メタグロスデッキは、2進化デッキとしてサーナイトと同じ弱点を抱えています。なのでその弱点を克服するミカルゲは、非常に噛み合っていると言えるでしょう。序盤にグッズが使えなくなる、というデメリットについては別途考えないといけませんが、それを差し置いてでも採用して良いスペックのカードだと感じました。とりあえず採用。差し替えるカードは、初手にワザを使うカードである「アローラロコン」ですね。
その前に1度、アロコンとミカルゲを比較しておきましょう。
どちらも展開を補助するワザを持ち、エネなしで使えます。HP60、逃げエネ1という点は共通です。1つ目の争点は、ミカルゲのグッズロックという性能です。これは圧倒的に強力ですが、2ターン目にグッズロック状態から始まる点は考慮する必要があります。具体的には、ミカルゲが逃げられないときにアメもハイボも使えないという点です。手札にエネがあればいいと思いますが、過去のミカルゲで展開するデッキがどうしていたのか調べる必要がありそうです。2つ目の争点は、アロコンは2枚持ってこれるのに対して、ミカルゲは1枚しか持ってこれない、という点です。つまり次のターンにメタグロスが1体しか立たないし、そもそもメタグロスをサーチするためのハイボも使えない。先のサーナイトデッキを見るに、数ターンかけて盤面を整える想定のようです。そもそも1回目のダークグレイスで持ってくるのはキルリアじゃなくてネンドールのような気もするし。要するに、盤面展開のプランが大幅に異なっている、ということです。
ここはデッキコンセプトに直結する部分なので、少し掘り下げて考えてみましょう。サーナイトミカルゲとメタグロスアロコンでの展開用カードの違いについてです。一番露骨なのは、ふしぎなアメです。サーナイトミカルゲではアメ0枚採用です。そもそも2ターン目にサナを立てることを考えていないという意味です。対するメタグロスは、現状アメ4枚。これは行進やゾロアークが2ターン目には200点近いダメージを出してくる高速環境の中で、数ターンかけて進化している余裕がないとの判断からでした。
さて、問題なのは殿堂環境がどの程度の展開速度なのか、ということですね。手持ちの情報が極めて少ない中ですが、ミカルゲの存在は、それだけで行進を殺してしまいました。ボールと軽石だけで先行グッズロックができる環境で、グッズぶん回しの高速デッキが生き残れないことは明白です。ついでに白レックも消えます。となると、オーロット環境をイメージすると良さそうです。オーロットを駆逐したのは、ゾロアークGXとボルケニオンでした。いずれもグッズを使わずに高速展開が可能なデッキタイプです。もっともゾロアークは弱点を突ける、という点が大きいので、対ミカルゲを考えると少し違うかもしれません。困ったことに、ボルケニオンという現環境トップのデッキタイプが1つ生き残ってしまいました。そしてメタグロスはボルケにものすごく弱い。楽観的な予測をすれば、ミカルゲのような強力な妨害カードが他にも存在し、ボルケがそれに致命的に弱いためにボルケが環境から駆逐される、ということが考えられます。しかし、ボルケというデッキタイプは、基本エネと特性とサポートだけで完結した極めて妨害されにくいデッキタイプです。生き残る可能性は高いものとして考える必要がありそうです。
そうなると、現環境のボルケニオン程度の速度がある、という環境予測が成り立ちます。そしてサーナイトGXはボルケに強く、またボルケは序盤にグズマフラダリにサポ権を回す余裕はそれほどありません。つまり正面は大ダメージを受けますが、ベンチはそこそこ安全。ここでサーナイトミカルゲのデッキレシピをもう一度見てみると、ミカルゲが3投されていることに気がつきます。つまり正面が狩られ続けてもリカバリーが効く構成になっているということです。多投されているハマナのサポートを素引きすれば、グッズロック下でもミカルゲをサーチできるので、2体目の準備も難しくありません。
サーナイトミカルゲの展開思想への理解が多少深まったところで、メタグロスにどの程度応用できるか、という現実的な問題を考えたいと思います。つまり、序盤展開のコンセプトをまるっきり変えたとして、サーナイトミカルゲを完コピする以上の完成度に持っていくことができるのか、という問題です。これは、最初から言っているように、私が殿堂レギュのカードプールを知らない、という問題に起因します。サーナイトに最適化されたカードたちが、メタグロスの最適解ではないことは明白ですが、代替案の候補がそもそも無い状態なので、サーナイトミカルゲを完コピしつつ最適化するという方向性は一気に寸詰りとなってしまいました。となると、現状の高速展開するメタグロスデッキというコンセプトのまま進むのか、という話になりますが、こちらも相手のミカルゲが厳しい、という問題に突き当たります。さて困った。
簡単に、相手のミカルゲをどうケアするか、という問題を考えてみましょうか。回答は、対ゲロゲやオーロットで使っていた対策、つまりアロコンのみちしるべでじわじわ展開して、数ターンかけて盤面を作る、というものです。ワザによるポケモンサーチは問題なく使える上に、グッズロックしてくる相手は展開が遅いので、速度不利はありません。そして盤面ができたならこちらの方が強い。ミカルゲもグッズロックの例に漏れず、展開が遅いと思われます。ならばミカルゲに対してはアロコンで展開した方が展開速度が速い、ということになります。結論が見えましたね。ミカルゲを採用せず、アロコンを続投する。当面はこれで考えていくことにします。これならば、アメ多投もそのままで問題ありません。
かなり長くなってしまったので、ポケモン編は次回に続きます。
(保留:ネンドール、ミカルゲ)
つってもミカルゲつえーよなあ。最終的にはアロコンとミカルゲを両採用して使い分ける感じにしたいですねー。
⇨第5話:メタグロスがいっぱい
http://autumncard.diarynote.jp/201710301814426066/
-
註1:ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト「カード検索」(http://www.pokemon-card.com/card-search/)2017.10.27.閲覧 当サイトより検索した。
コメント
0からはじめるシリーズ、とても楽しく読ませていただいています。
僕は一応DPから触れてきた人間ですが、わからない方のために何か記事を書こうと思っているので、
0から始める視点がすごく役に立ちました。
これからも楽しみにしております。リンクいただきます。
初めまして。読んでいただいてありがとうございます! 右も左もわからずに書きなぐっていますが、参考にしてもらえているようで一安心しました。DP経験者視点からの紹介記事、楽しみに待っております。強力なポケボディーポケパワーやトレーナーズはまだ母数が少ないので探しやすいのですが、強いワザを持ったポケモンを探すのが大変で困っているので、そういったところの紹介記事があると嬉しいなあと思っていたりします。